ちょっとややこしくなるので、前回は導入部分で話し終えてしまいました。
今回はその働きをお話ししますね。
3つのホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)において、血液中を循環する「ドーパミン」
に関しては、その働き(生理作用)が良く分かっておりません。
その為、働きに関しては「アドレナリン」と「ノルアドレナリン」について、お話しをします。
「アドレナリン」も「ノルアドレナリン」も、その生理作用は類似しています。
どちらも同じように作用しますが、その項目によって得手不得手があるぐらいに思って下さい。
およそ、以下の7つの作用が有ります。
①心拍出量の増加
②血圧の上昇
③気管支の拡張
④胃腸運動の抑制
⑤基礎代謝率の増加
⑥血糖値の上昇
⑦中枢神経系の刺激
結構、色々な働きがありますよね!
しかし眺めていると、どの作用も昂奮した時の身体の反応になっていますね。
そうなのです!『交感神経優位』の状態なのです!
副腎髄質ホルモンの分泌は、自律神経の『交感神経』によって調節されているのです。
この辺りが『乾癬のこと――副腎 その2』でお話ししたように、迅速な対応を求められるが故に
神経系と本を同じくする『外胚葉』に由来するのではないか?と思う理由の一つでもあり、
その作用も緊急を要するものばかりなのです。
では「アドレナリン」と「ノルアドレナリン」では、それぞれ何が得意なのでしょうか?
「アドレナリン」は【心拍出量の増加】と【血糖値の上昇】に作用するのが得意です。
また【気管支の拡張】も「ノルアドレナリン」よりも得意のようです。
「ノルアドレナリン」は【血圧の上昇】が一番の得意です。
特に、『末梢血管を収縮させることによる血圧の上昇』に力を発揮しています。
「アドレナリン」「ノルアドレナリン」どちらも、『循環器系』への作用がありますね!
「アドレナリン」は『心筋の収縮力』『心拍数の増加』を促し、心臓から出る血液の量を増やします。
ドキドキ・バクバクしている状態ですね。
「ノルアドレナリン」は全身の末梢血管を収縮させ、血液を流れにくくする=血圧上昇に作用します。
しかも「ノルアドレナリン」は副腎髄質からだけ分泌されるのではなく、全身の『交感神経の終末』からも分泌されます。
それ故に、全身性に末梢の循環抵抗を著しく増加することが出来るのです。
感覚としては、末梢血管が閉じる訳ですから、手足が冷たく感じると思います。