前回は、保湿剤や塗り方についてお話をしました。
ブログを公開した後のお問い合わせの中に『他の保湿剤はダメなのですか?』と言うものがありました。
もちろん、前回ご紹介した保湿剤でなければダメと言うことはありません。
それぞれの方のお肌の状態も違うし、肌質も異なるので、ご自分に合うものが一番だと思います。
前回も書きましたが、当院では患者さんから戴くアドバイスなどを、みなさんに共有させて貰っています。
ここ数年はご紹介した保湿剤ですが、それ以前はまた別のものもご紹介しておりました。
例えば、【紫雲膏】などは漢方薬的にみても、皮膚疾患には適するものだと思います。
この塗り薬は、ヤケドや痔疾にとても効果的です。
つまり熱を取る作用があるのです。
乾癬やアトピーは、皮疹部分が赤く熱を持っていることも多いので、この【紫雲膏】が有効なことも多いのです。
しかし人によっては、却って良くないと言う方も居ます。
第一には『色』です。
紫根と言うものが主材料になるのですが、その色が赤または紫の色素が強いのです。
つまり塗ることによって、塗り薬の色が衣類などに付いてしまい、衣類をダメにしてしまうこともあるのです。
二つ目には、豚脂やごま油も材料として使っているので、かなりベタベタした感触の漢方薬です。
これは【プロペト】や【白色ワセリン】などに近い感じですから、乾燥には強いのですが、やはり衣類に付いたりすると、衣類がゴワゴワになってしまうこともあります。
またこの系統の保湿剤は、しっかりお肌に『フタをする』ので、季節によっては体内に熱が籠りやすいので、却って症状が良くない状態になることが有るのです。
保湿剤は、個々の方に合うか合わないか?が大前提です。
如何に高級な保湿剤であっても、合わなければ何にもなりません。
各々の方が、ご自分のお肌の乾燥を防げる保湿剤に出合えたらいいですよね。
各メーカーとも研究を重ねて、『如何にすればお肌を良い状態に保てるか?』に真摯に取り組んでいると思います。
日本には真面目なメーカーがたくさんありますから、これからもっと良いものが出てくる可能性もあります。
その一方で、材料の特性によって『塗るタイミング』も検討すべきではないかと思います。
冬の乾燥の強い季節。
夏の暑い季節。
湿度の高い季節。
それぞれに合った保湿剤を塗り分けても良いのではないでしょうか?