お肌の保湿のことをお話して来ましたが、今日は『加湿』のことを少しお話ししようと思います。
『保湿』と『加湿』・・・
ニュアンスは異なりますが、どうも『加湿』もキーワードになりそうなのです。
実は今年の新年早々に、患者さんから教えられたことがありました。
正月明けに来院されたアトピー性皮膚炎の方が、とてもお肌の状態が良くなっていました。
思わず『かなりお肌がスベスベですが、なにかありましたか?やはり、お仕事を休んねたからですか?』とお尋ねしました。
この方はとにかく忙しい方。基本は土日休みのはずが、土曜日はほぼ出勤!
日曜日は何とか出勤はしないものの、自宅でお仕事のことも。
急な対応なども求められたり、周りにも気を遣わなければならないので、常に緊張状態を強いられる感じです。
そんな常時緊張状態では、身体も心も疲弊してきますよね。
お肌は痒みが増し、掻くと血が出て更に酷くなる・・・。
施術と保湿をきちんと続けていても、日々のストレスの方が強いのは明白であり、出来るだけ心穏やかにとしか、お伝え出来ない状況でした。
それが正月明けのお肌の状態は、目を見張るほど良いものでしたので、つい先のようなことを質問してしまったのです。
患者さんから返ってきた言葉は、想像していたものとは全くことなるものでした。
患者さん曰く『仕事もしませんでしたけど・・・。母がお節を作っていて、部屋がずっと蒸気が充満していて!』と仰いました。
仕事から離れたことで、ストレスが低減されて改善したのかと思っていたのですが・・・。
どうやら仕事を休んだことよりも、『室内の湿度が高かった』のが良かったのではないか?と思えたのです。
確かに乾燥の時期には、お肌の状態は悪くなります。
いくら保湿を頑張っても、すぐに乾燥してしまって、痒みが出て来たりします。
お肌の状態を良くするために、『お肌の保湿』にばかり思いが行っていたのですが、外環境や住環境の『湿度』がコントロールできたら、患者さんの負担は変わってくると思ったのです。
結論はまだまだ先になると思いますが、この視点での対応は今まで考えなかったので、新たな希望も見えてきます。
季節による改善の違いはありました。
昔は夏と冬で比べた場合、夏の方が治りやすく、冬は停滞や悪化が定番でした。
しかし、ここ十数年は異常気象のためか、真夏の冷房で室内もかなり乾燥気味で、真冬並みの乾燥が一年を通じて起きているのではないか?と想定すると、昨今の治りにくいケースにも一定の説明が出来るのかも知れません。
『お肌の保湿』もさることながら、『居室内の湿度を高めに保つ』ことも、考え見直しても良いのかも知れませんね。