保湿のことを継続してお話ししておりますが、また質問を受けました。
『保湿をすれば治るのか?』
『二次災害のことをもう少し詳しく話してほしい』
この2つの質問が今の所多いので、順番にお話ししますね。
今日は『保湿をすれば治るのか?』についてお話しします。
私の考えは、『保湿だけで治る方も居ますが、皆さんがそうとは限りません』と言うことです。
当院には乾癬、アトピー性皮膚炎に限らず、いろんな皮膚疾患の方がいらっしゃいます。
性別も違いますし、年齢もさまざま。
病状の様子も全く異なるので、保湿をすることで改善する時期にお見えになる方は、保湿のアドバイスをして、テアテマンドールをしていくと、そのまま良くなります。
しかし病状が進んでいたり、その方の生活リズムや生活習慣が厳しい状況の場合、保湿をしっかりと行っただけでは間に合わないように思います。
以前のブログでも書かせて戴きましたが、皮膚疾患と呼ばれる物の多くは『皮膚の病気ではない』と言う認識が、私にはあります。
少し話が反れますが、お話ししますね。
皮膚疾患の場合、『皮膚のターンオーバーの期間が短いので、正しい皮膚が出来ない』とか『皮膚の再生する機能が壊れている』などの理由を聞くことがあったかも知れません。
つまり、『お肌の機能が正常ではない!』と言うことを表現しているのだと思います。
確かに、一度ダメージを負うと、再生しないような皮膚疾患もあります。
しかし乾癬やアトピー性皮膚炎、それ以外の症状でも当院にお見えになる方の殆どが、切り傷や虫刺されの後の皮膚は、元の状態に戻っているはずです。
若干、傷や痕が残ると言うことは有るかも知れませんが・・・。
つまり『再生する機能は正常』だと、私は思っています。
乾癬にしてもアトピー性皮膚炎にしても、皮疹の出ている所が正常な皮膚の状態に戻らないのであって、皮膚が異常ではないと思っています。
皮疹の部分が、身体にとって不要なものを排泄する出口になっているのであって、皮膚の機能の問題でないと思います。
だから皮膚の疾患と言う見方では、いつまで経っても改善に向かわないのではないか?と言う所から、私自身も乾癬・アトピー性皮膚炎の方と向き合うようになり、『皮膚の病気でなない』と言う確信を得たと思っています。
話しを元に戻しますが、保湿さえすれば治ると言うのは、その状況によっては良くなると思います。
しかし、多くの場合は保湿だけでは、足りないと思います。
生活の見直しや改善、ストレスの有無の受け入れや発散、負担を掛けて機能が低下している身体の修復など、多岐にわたって行うべきことがあり、その一つとして『保湿』があると思います。
その為、保湿は『二次災害を防ぐため』のものであると、伝えております。
次回はその『二次災害』のことを、もう少し詳しくお話ししたいと思います。