乾癬・アトピーの疑問――保湿は必要か?(5)

保湿のことを継続してお話ししておりますが、また質問を受けました。

 

保湿をすれば治るのか?

 

二次災害のことをもう少し詳しく話してほしい

 

この2つの質問が今の所多いので、順番にお話ししますね。

 

 

今日は『保湿をすれば治るのか?』についてお話しします。

 

私の考えは、『保湿だけで治る方も居ますが、皆さんがそうとは限りません』と言うことです。

 

当院には乾癬、アトピー性皮膚炎に限らず、いろんな皮膚疾患の方がいらっしゃいます。

性別も違いますし、年齢もさまざま。

病状の様子も全く異なるので、保湿をすることで改善する時期にお見えになる方は、保湿のアドバイスをして、テアテマンドールをしていくと、そのまま良くなります。

 

しかし病状が進んでいたり、その方の生活リズムや生活習慣が厳しい状況の場合、保湿をしっかりと行っただけでは間に合わないように思います。

 

以前のブログでも書かせて戴きましたが、皮膚疾患と呼ばれる物の多くは『皮膚の病気ではない』と言う認識が、私にはあります。

 

少し話が反れますが、お話ししますね。

 

皮膚疾患の場合、『皮膚のターンオーバーの期間が短いので、正しい皮膚が出来ない』とか『皮膚の再生する機能が壊れている』などの理由を聞くことがあったかも知れません。

 

つまり、『お肌の機能が正常ではない!』と言うことを表現しているのだと思います。

 

確かに、一度ダメージを負うと、再生しないような皮膚疾患もあります。

しかし乾癬やアトピー性皮膚炎、それ以外の症状でも当院にお見えになる方の殆どが、切り傷や虫刺されの後の皮膚は、元の状態に戻っているはずです。

若干、傷や痕が残ると言うことは有るかも知れませんが・・・。

 

つまり『再生する機能は正常』だと、私は思っています。

 

乾癬にしてもアトピー性皮膚炎にしても、皮疹の出ている所が正常な皮膚の状態に戻らないのであって、皮膚が異常ではないと思っています。

 

皮疹の部分が、身体にとって不要なものを排泄する出口になっているのであって、皮膚の機能の問題でないと思います。

 

だから皮膚の疾患と言う見方では、いつまで経っても改善に向かわないのではないか?と言う所から、私自身も乾癬・アトピー性皮膚炎の方と向き合うようになり、『皮膚の病気でなない』と言う確信を得たと思っています。

 

話しを元に戻しますが、保湿さえすれば治ると言うのは、その状況によっては良くなると思います。

 

しかし、多くの場合は保湿だけでは、足りないと思います。

 

生活の見直しや改善、ストレスの有無の受け入れや発散、負担を掛けて機能が低下している身体の修復など、多岐にわたって行うべきことがあり、その一つとして『保湿』があると思います。

 

その為、保湿は『二次災害を防ぐため』のものであると、伝えております。

 

次回はその『二次災害』のことを、もう少し詳しくお話ししたいと思います。