多くの患者さんの『ステロイドの塗り薬を使うと一時は良くなるんですが・・・』と言う言葉。
使っているお薬の名前は様々ですが、患者さんの仰る内容はほぼ同じです。
そこで改めて『なぜステロイ剤(副腎皮質ホルモン剤)が効くのか?』を調べてみました。
【これでわかる 乾癬の新しい治療】と言う本には、ステロイド外用薬の解説ページには
『作用機序は局所の抗炎症、抗増殖、免疫抑制などにより効果を発揮します』とあります。
とても簡潔で納得できる表現ですね。
『なるほど!炎症を抑えるし、免疫の過剰反応を抑えるから治るのか!』と思いました。
しかし、お薬で抑えた炎症や過剰な免疫反応は、なぜまた起き始めるのでしょうか?
例えば、殆どの方が風邪の時にお薬を飲んで改善した経験はあると思います。
回復までの時間の長短は別として、お薬の要らない時期は必ず来ます。
でも乾癬(アトピー性皮膚炎や喘息なども)の場合、お薬を止めるとまた出始める事が多いようです。
当然、お薬だけで治ってしまい、その後再発しないと言う方も居ます。
(この方の事は後ほど詳しく書きますが、この方のお陰で色々と気付けたのです。)
その差はなんでしょうか?
昔から『風邪薬が作れたらノーベル賞もの!』などと言われるように、風邪薬と言うのは有りません。
風邪の諸症状を緩和したり抑えたりするお薬はあるのですが、風邪ウイルスに直接作用するのは無いようです。
ではなぜ風邪は改善するのか?
これは“自己治癒力(自然治癒力)”が活性化して、風邪ウイルスをやっつけてくれるのです。
当然、諸症状を抑えたり緩和する事にも意味はあります。
仕事を休めないとか、スポーツの大会や受験の場合には、症状を緩和しておく方が良いでしょう。
でも最終的には本人の治癒力が上がり、ウイルスを退治してくれて本当の風邪の治癒となるのです。
ですから乾癬(かんせん)でもお薬で症状緩和をする事は、皆さんのご事情において必要ならば、選択肢としては間違いではないと思うのです。
ただし風邪の例では無いですが、お薬が無くても発症しない状態にするには、ご本人の治癒力が活性化しない限り、お薬を使い続けるしかないのかも知れないと!思うようになって来ました。
本にあるように、副腎皮質ホルモン(ステロイド)があれば、症状は緩和されるのです。
『副腎皮質ホルモン(ステロイド)』は、そもそも人体で作られるホルモンです。
それを科学的に合成して塗り薬や飲み薬にしたものを治療で使っているだけです。
ですから、患者さんご本人のホルモンが十分で出れば、外から加える必要は無いのではないか?と思うようになったのです。