前回までは、副腎皮質ホルモン(ステロイド)のことをお話ししました。
多くの乾癬や掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)、アトピー性皮膚炎の患者さんを診察させて戴く中で
『ステロイドって身体に悪いんですよね!』
『ステロイドってなんですか?』
などのご意見やご質問を受けることが多くあります。
私は初診の時に、ほぼ全員の方に前回までのようなことをご説明致します。
それは乾癬などの患者さんには、どうしても知っておいて欲しい内容だと思っているからです。
このブログでも、最初はステロイドのことをお伝えしたいと思い、お話しをさせて戴きました。
さて、今回からは『ストレス』との関連について、少しずつお話しして行きたいと思っています。
多くの方が『ストレス』と言う言葉はご存知かと思います。
ストレスとは、『物体に圧力を加えることによって生じる歪み』を指す言葉であり、
元々は物理学で使われていた言葉だそうです。
それをカナダの生理学者であるハンス・セリエ先生が『ストレス学説』と言う
学説を唱えた事で、生理学的にも使われるようになったのです。
誰もが使う『ストレスがある』とか『ストレスが溜まった!』と言うことの意味合いは
『体や心に何らかの歪みが生じている』と言うふうに理解できるのではないでしょうか?
その歪みは、気分の落ち込みであったり、すぐにイライラしてしまうことであったり、不安感で
あったりと、心(感情や考え方)の歪みのこともあるでしょう。
肩や首のコリや、腰の痛み。胃もたれや膨満感などの内臓の不調。
または肩が下がっているとか、骨盤が歪んでいるなどと言われるような、骨格の歪みなどなど。
いずれにせよ、本来の状態から逸脱した状態にあることだと思います。
しかも、それが自覚されていれば『ストレスだ~!』と大声を出すことも出来ますが、
本人が自覚していないにも拘らず、身体は『ストレスがあるんです・・・(-_-;)』と独り静かに
耐えていることもあるのです。
先ほどお名前が出たセリエ先生はストレスの定義を以下のようにされました。
『外部環境からの刺激によって起こる歪みに対する非特異的反応』
ちょっと難しい言葉が出て来ますが、詳しく説明をして行きたいと思います。