『ご自分にストレスがあることを認めてあげて下さいね・・・』
多くの乾癬の方にずっと言い続けて来ました。
元々が頑張り屋さんですから、『ストレスがあることを認める=自分に負ける』
と思ってしまうようです。
しかし多くの方が、このブログの最初にお話しした『副腎皮質ホルモン(ステロイド)』
の事をお伝えすると、少しずつですがストレスを認知して下さるようです。
【認知】とは『現実の受け取り方』や『ものの考え方』を言います。
この認知のあり方が、人間の気分や行動に影響すると言うことに注目し、
1970年代にアメリカのAaron T Beck先生が『認知療法』または『認知行動療法』と言う
精神科の治療方法として開発されました。
特にうつ病に対する精神療法として、治療効果も検証されてきたものです。
詳細をお知りになりたい方は、日本認知療法学会のサイトにあるマニュアルをご覧になって下さい。
厚生労働省の研究事業として、治療者用と患者さん用にまとめられています。
やや脱線しましたが、認知の在り方が人間の感情や行動に影響すると言うことは、
取りも直さず、人間の身体に何らかの影響があると言っても良いのです。
そしてその影響が、乾癬と言う形で現れているのでは?と私は考えています。
認知行動療法では、『認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって、
精神疾患を治療することを目的とした構造化された精神療法です。』と冒頭に書かれています。
つまり変えられないストレッサーに対しては、そのストレッサーそのものをどうにかするのではなく、
その存在を認めてしまい、そのストレッサーの問題解決は次のステップにするのです。
『ストレスに負けないように頑張らないと・・・!』などと思ってはいけません。
『ストレスが有って、辛いんです・・・』と言うことを公言できれば、解決策も見つかる可能性があります。
ストレスで大変なのに、それを無いフリをしていれば、いつまでも解決から遠ざかって行きます。
そしてその代償(?)として、身体は乾癬と言う病変を発症し、認知の間違いを教えてくれているのかも知れません。