循環器系への作用は副腎髄質ホルモンの代表的なものです。
と言っても、「アドレナリン」と「ノルアドレナリン」では作用する場所が違いますね。
「アドレナリン」は血液を拍出する【心臓】そのものに作用します。
「ノルアドレナリン」は血液の通り道である【血管】を収縮させることに作用しています。
例えれば、ポンプ(心臓)をドンドン働かせるようにするのが「アドレナリン」。
通り道のホース(血管)を狭めて、水の勢い(血圧)を上げているのが「ノルアドレナリン」なのです。
そしてその調節は自律神経の「交感神経」に委ねられているのです。
自律神経のことも、別の項目をつくってお話しをしますが、「交感神経」が働くときは【闘争と逃走】と
言うふうに覚えたものです。
【戦う】か【逃げる】か・・・どちらも身に危険が迫っている点では同じなのです。
つまりは『緊張状態=ストレス状態』と言うことです。
このような時には、副腎髄質からホルモンが分泌されて、その危機的状況からなんとか脱出しようと
身体をそう言うモードにしていると言っても過言ではないと思います。
もう一つ、ストレス状態の時に起こる反応が有りましたね。
【乾癬のこと――副腎皮質ホルモン(ステロイド) その2】でお話しをした「副腎皮質ホルモン」の
分泌ですね。
つまり、何らかのストレッサー(原因)によってストレス状態に曝されると、人体は
『副腎髄質ホルモン』と『副腎皮質ホルモン』の両方が分泌されるようになります。
ただし、この二つのホルモンは管理が異なります。
『副腎皮質ホルモン』は視床下部⇒下垂体前葉⇒副腎皮質の順番に
上位ホルモンから下位ホルモンへと階層的に管理されますので、その変化は比較的ゆっくりです。
しかし『副腎髄質ホルモン』は交感神経での調節を受けているので、ほぼ瞬時にホルモンを分泌します。
ストレスが掛かる度に、瞬時にアドレナリンを分泌する「副腎髄質」。
それらストレスに対抗するために、体内のステロイドの過不足を確認しつつ、分泌調整を
長期間に亘って行う「副腎皮質」。
ここまでお話しをして来て、想像が出来た方も多いと思います。
ストレス(ストレッサー)は、短期的・長期的に【副腎】と言う臓器・器官を働かせてしまうので
結果として、【副腎】そのものが弱ってしまうのです。