前回は血糖値のコントロールについてお話ししました。
副腎髄質ホルモンのアドレナリンと、副腎皮質ホルモンのコルチゾール(ステロイド)の両方が
血糖値を上昇させるとお話ししました。
この事は意外と忘れらてしまうのですが、重要なポイントだと私は思っています。
結論から言うと、甘いモノを取り過ぎると血糖値が乱高下してしまいます。
その時に副腎は皮質ホルモンおよび髄質ホルモンの両方を動員して、血糖値の上昇に働きかけます。
その結果、副腎そのものが疲れ果ててしまい、働きが鈍くなってしまうと考えられるのです。
ではそのメカニズムを簡単に説明しますね。
例えば美味しいシュークリームを戴いたとします。
当然、ペロッと食べてしまいますよね(笑)
一つでは物足りないかも知れませんが、まあ一人に一つが妥当でしょう。
このシュークリームの甘味は、たぶん「お砂糖」でしょう。
糖質そのものですから、身体では一気に吸収されて、血糖値を急激に上昇させます。
人間の身体は、大きな変化を嫌うので、常に同じような状態で居ようとします。
これをホメオスタシス(恒常性維持)と言います。
この状態を維持しようとする働きによって、急激に上がった血糖値を下げるように身体は動きます。
血糖値を下げるのに働くのが、膵臓から出る『インスリン』です。
このインスリン・・・上がった血糖値の分を下げるだけ分泌されるなら良いのですが、
それ以上に分泌されてしまうのです。
つまり、血糖値が下がり始めても、まだその分泌は止まらないのです!
すると今度は血糖値が下がり過ぎてしまうと言う、逆転現象が起きてしまうのです。
人間の身体は、血糖値が下がると【危険信号】が出るようになっているのです。
その為、今度は血糖値を上げるホルモン(インスリン拮抗ホルモンと言います)が分泌されるのです!
それが、アドレナリンやステロイドホルモンなどの『副腎由来のホルモン』なのです。
もうお分かりですね!
甘いモノの過剰摂取が、間接的に副腎から大量にホルモンを分泌させてしまい、
その結果、副腎そのものを疲れさせてしまうのです。
疲れた副腎は働きも弱くなり、炎症を抑えたり、アレルギーを抑えるホルモンの産生も減少するので、
アレルギー症状も悪化するのです。
テアテマンドールでは、「糖分の摂り過ぎは、膵臓が腫れて脾臓を圧迫する」ことで、古い赤血球を脾臓が回収できなくなることで、乾癬やアトピーが起こる・・・と言う仮説を説明しています。
まだその仮説は証明されていませんが、その可能性もあると思います。
また、今回お話しした内容は生理学的な説明なので、実際に様々な先生方が実際に実験などをして
証明されているものです。
このブログの中では、『副腎』と言うことに注目しているので、『副腎』との関連性としてもご理解いただけるのではないかと思っています。
そして甘いモノの過剰摂取を見直すことが、乾癬やアトピーを改善させるのには必要なこともお分かり戴けたのではないでしょうか?
ただし、どの程度が過剰で、どの程度なら良いのかは、個人差が有るように感じます。
しかし『甘いモノを断つ事が大変なストレスになる!』と言う方もいらっしゃいます・・・!
そう言う方にとっては『ストレスでのホルモン消費の方が多いのか?』
それとも『甘いモノの方が多く使ってしまうのか?』
など、私には一律に断じ切れないところがあり、いつも迷います。
ですから、直接お会いして診療をして行く中で、その方に合った方法を検討しなければならない!
と、いつも思い悩んでしまうのです・・・。