乾癬のこと・アトピーのこと――副腎皮質ホルモン(ステロイド) その8

 ステロイドが求められる状態を改めて見てみると、凡そ3つに分類出来ます。

 

① 食事に関する事

② 炎症やアレルギーに関する事

③ ストレスに関する事

 

過剰な運動や無理なダイエットによって、体内の糖質が使われ過ぎると、肝臓に蓄えれれている

グリコーゲンから糖を新生します。

脂肪分の多い食事ばかりをしていると、脂肪分解が大変になります。

食べ過ぎや間食が多いと、常に胃酸分泌を促されます。

肝臓や膵臓・脾臓への負担と言うテアテマンドールの仮説は、この部分に関してかも知れませんね。

 

乾癬に限らず、アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息など、免疫にかかわるアレルギー疾患の場合にも、

たくさんのステロイドが必要とされます。

 

のストレスに関しては、その2の【注2】にも書きましたが、乾癬治療において大きな問題となります。

 

ステロイドは種々のストレス刺激に対して、抵抗する為に分泌されます。

このストレス(ストレッサー)は精神的なモノばかりではなく、肉体的なものもあります。

天候の寒暖の差もそうですし、寝不足や過度の運動、長時間の同一姿勢(例えばパソコンなど)

もストレスになり得ます。

それらのストレスは本人が自覚していなくても、身体の方で『ストレス刺激が来た~!』と感じれば

自動的にステロイドの分泌を促進させてしまうのです。

その結果、疲れ果てた副腎は生産能力が落ちて、十分なステロイドを供給出来くなってしまいます。

 

多くの乾癬の患者さんを拝見していて感じるのは、ます自前のステロイドが作れるような副腎に

回復させる必要があると言う事です。

ステロイド剤の長期使用で、副腎がお休みモードになっていれば、動くようにしなければなりません。

疲れ切ってしまっている場合には、ステロイドを産生させる前に、十分に修復する時間が必要になります。

そして自前のステロイドが出るようになっても、このストレスに対抗する事にばかり使われていれば、

肝心の皮膚の炎症を抑えるところまで、間に合わないのではないかと推測出来るのです。