前回、セリエ先生が提唱された『ストレス学説』を少し噛み砕いてお話ししました。
【ストレス】と言う言葉そのものは、定義から考えると〝身体を守ろうとする反応〟ですから
決して悪い現象ではないと言えます。
但し、ストレッサー(ストレスの原因)から身体を守る為とは言え、その人にとって好ましくない反応を
起こすこともある訳です。
そう言う意味では『ストレスがある・・・』と言うのは、イメージ通り好ましくない状態であると言えますね。
乾癬やアトピー性皮膚炎、掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)、喘息など、アレルギー性の疾患の
方には、ストレスのことは必ずお話しします。
当然アレルギー疾患に限らず、ストレス状態が原因と思われるさまざまな症状や疾患が
ある方にもお話しします。
私は治療をするに当たり、ストレスの原因であるストレッサーを2つに分けることを提案しています。
それは【変えられるストレッサー】と【変えられないストレッサー】の2つに分類することです。
4つに分類されるストレッサーですが、実際の治療においては細かく分類することが目的では無く
『如何に好ましくない反応を起こさせないか?』と言うことが大切だと思います。
変えられるストレッサーとはどんなものがあるでしょうか?
例えば、甘いモノの食べ過ぎやお酒の飲み過ぎ、煙草の吸い過ぎ・・・。
または、夜中までインターネットやゲームをやってしまい、いつも寝不足状態で身体が重だるい。
寒い季節にもかかわらず、ファッションを優先して薄着をしてしまう。
これらの行動をしてしまう事情は十分理解できますが、身体にとって良くない影響を与えるものならば、
やはり考え直してみる必要があるかも知れません。
簡単ではないかも知れませんが、嗜好品や生活習慣は変えることが可能だと思います。
少しでも悪影響を減らす事で、身体はストレス状態=好ましく無い反応・・・が起き難くなってくるのです。
それが症状の改善につながり、ご本人も実感できるようになれば、これに勝る喜びはありません。