【副腎】のことをサブテーマにして、色々とお話しをさせて戴いておりますが、
最近になって感じることがあったのでお話しをしたいと思います。
副腎からは少し逸れますが、お許し下さい。
乾癬やアトピー性皮膚炎でお悩みの方の中には、それ以外の皮膚のトラブルを経験された方も
いらっしゃると思います。
例えば、『ニキビ』や『吹き出物』に困った事は無いでしょうか?
台所仕事などの家事で、手や指が酷く荒れてしまったりは無いでしょうか?
これらは、殆どの方がご存じのお肌のトラブルですよね。
ニキビは医学的には『尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)』と言います。
しかしこの名称を聞いたことのある方は皆無でしょう。
また湿疹やかぶれなど、特にお医者さんに行かずに判断してしまうケースもあると思います。
ある程度の時間の経過で改善に向かったり、明らかな原因が有る場合には
自己判断も大きな問題にはならないかも知れませんが、放置した結果、
悪化の一途と辿ることもあるので、診断は受けた方が良いと思います。
これらどなたにも起きるお肌のトラブルも、人の目が気になるので隠してしまいたいものですよね・・・!
しかし『乾癬』や『アドピー』と診断されると、隠したい気持ちがとても大きくなるように思います。
ニキビや吹き出物、湿疹、かぶれの時以上に、長袖を着たり、首にショールを巻いたり・・・。
このブログでは一貫して『自前のステロイドが十分に出れば改善する!』と言い続けています。
そして自前のステロイドが無駄に消費されてしまうのは、多くはストレスによるものではないか?
と推察しています。
お肌のトラブルそのものも、『ストレス状態』ですよね。
しかし、ニキビなどに比べて『乾癬』や『アトピー』が多大なるストレッサーになっているのは
何故でしょうか?
患者さん達と話していて気付かされたのは、
『一生治らない!と言われた』
『治らないから、一生付き合うしかない!と言われた』
『原因は分からないけど、とにかくお薬を続けて下さい!と言われた』
などなど、『かなりショックを受けた・・・!』と、お話しをされる方がとても多いのです。
『一生治らない!』とか『長く付き合え!』と言う言葉が、ニキビなどに比べて
周りの方に気付かれたくない理由の大部分を占めているように感じるのです。
また『乾癬』の場合は音の響きが勘違いを生むようです。
『えっ?ウツるの!?』って言われた方もいらっしゃいます。
『乾癬(かんせん)』と『感染(カンセン)』が同じ音なので、間違うのでしょう。
病気を正しく理解することは、とても大切だと思います。
病名を明らかにすることで、正しく治療を受けることが出来るのは、
皆さんもご存じでしょうし、経験もなさっていると思います。
しかし病名から受ける大きなショックは、どう扱うべきでしょうか?
答えは無いかも知れませんが、乾癬やアトピーに関しては、その病名から受ける
『一生治らない!』と言うネガティブな印象を少しでも遠ざけたいと思い始めたのです。
そこで、最近は『乾癬(またはアトピー)と言う言葉は使うのを止めましょう!!』
とお伝えしております。
特に、治り始めて来た方にはそのようにお伝えしています!
症状の出方も様々ですし、その治り方もさまざまです。
ブログの後半で書く予定の治療編で詳細をお話ししますが、治り方も周辺から薄くなる方も居れば
皮疹の真ん中からノーマルなお肌が出て来て、周りに押し広げるように治る方も居ます。
また、赤みが薄まるのと連携して、やや範囲が広がる方も居ます。
それでも以前よりは目立たなくなり、そのまま薄まって消えてしまう方も居るのです。
鱗屑(りんせつ)も出なくなり、色も薄ピンク色になって来た頃には、敢えてお肌を露出して貰うことも
提案しています。
それは『乾癬』ではなく、『ふつうの湿疹』ぐらいの気持ちに思って貰うことで、病名から来るストレスを
少しでも減らしたいのです。
患者さんの中には、病気を説明する時に『乾癬』や『アトピー』と使わない方もいらっしゃるようです。
これは正式な病名を伝えても理解され難いと言うことで、敢えて言わないようにしているそうです。
また使わないことで周りの方に『治らない病気』と言う印象を持たせない効果もあるように思います。
私は病名をすり変えたり、誤魔化すつもりはありません。
あくまで病名の持つイメージ・・・『一生治らない!』と言う呪縛を解きたいと思うのです。
治療をしていても、症状改善にはとても時間もかかりますし、症状にも波がある方も居ます。
その時に、『あぁ~、やっぱり乾癬(またはアトピー)は一生治らないんだ・・・!』と思ってしまうと
自暴自棄なってしまうだけでなく、精神的にもかなり落ち込んでしまい、それがまたストレッサーに
なってしまう方もいらっしゃるのです。
ただ、ここのブログでは言葉としての乾癬やアトピーは使います。
そうしないと、勝手な病名では分からなくなってしまいますので。
一つの提案として、乾癬のことは『後天性角化症(こうてんせいかくかしょう)』としています。
『後天性角化症』を細かく分類すると、その中に『乾癬』があるのです。
『後天性角化症』って聞くと、『感染(カンセン)』と聞き間違えることもありませんし、
『お肌が角化しちゃう病気なの!?』と言う説明は間違ってはいませんので。
病名を使わないことで、患者さん自身が少しでもストレスを感じないと思って戴けたら、
きっと改善にも向かうと思うのです。
そのようなことを最近は思ったので、テーマから外れてしまいましたがお話しさせて戴きました。